1. モーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》(2006)
今をときめくバリトン、アーウィン・シュロットの名を高めた《フィガロ》の2006年の映像。初々しさと狡猾さを併せ持つ歌唱が聴きものです。
フィガロ:アーウィン・シュロット/スザンナ:ミア・パーション/アルマヴィーヴァ伯爵:ジェラルド・フィンリー/伯爵夫人:ドロテア・レシュマン/ケルビーノ:ライナット・シャハム 他 アントニオ・パッパーノ(指揮)/演出:デヴィッド・マクヴィカー
2. モーツァルト:歌劇《ドン・ジョヴァンニ》(2014)【日本語字幕付き】
プロジェクション・マッピングを効果的に用い、実に楽しい仕掛けを次々と繰り出す舞台が印象的。ポーランド出身のクヴィエチェンの題名役もさることながら、レポレッロ役のエスポジトの演技も素晴らしい現代的なモーツァルト。
ドン・ジョヴァンニ:マリウシュ・クヴィエチェン/レポレッロ:アレックス・エスポジト/ドンナ・アンナ:マリン・ビストレム/騎士団長:アレクサンドル・ツィムバリュク ニコラ・ルイゾッティ(指揮)/演出:カスパー・ホルテン
3. モーツァルト:歌劇《魔笛》(2003)
夜の女王にディアナ・ダムラウを配したマクヴィカー演出の『魔笛』。コミカルなパパゲーノのキーンリーサイドを筆頭に、レシュマン、ハルトマンらがのりに乗った歌唱と演技を披露します。
パパゲーノ:サイモン・キーンリーサイド/パミーナ:ドロテア・レシュマン/タミーノ:ヴィル・ハルトマン/夜の女王:ディアナ・ダムラウ 他 コリン・デイヴィス(指揮)/演出:デヴィッド・マクヴィカー
4. ヴェルディ:歌劇《マクベス》(2011)【日本語字幕付き】
シェイクスピアの名作をヴェルディがオペラ化。目立つアリアはほとんどなく、登場人物の内面を描いた異色の作品を、フィリダ・ロイドが巧みに演出。2015年のロイヤル・オペラ来日公演でも同じプロダクションで話題をさらいました。夫人役のモナスティルスカの素晴らしい歌唱も聴きもの。
マクベス:サイモン・キーンリーサイド/バンクォー:ライモンド・アチェト/マクベス夫人:リュドミラ・モナスティルスカ 他 アントニオ・パッパーノ(指揮)/演出:フィリダ・ロイド
5. ヴェルディ:歌劇《椿姫》(2009)
1994年の初演以来、ずっと変わらず愛されているリチャード・エアが演出した舞台。美しい衣装と舞台、手の動きなど細部にもこだわりのある演出は見る者全てを魅了します。2009年の舞台にはルネ・フレミングが初のヴィオレッタ役を披露。大きな話題となりました。
ヴィオレッタ:ルネ・フレミング/アルフレード・ジェルモン:ジョセフ・カレヤ/ジョルジォ・ジェルモン:トーマス・ハンプソン 他 アントニオ・パッパーノ(指揮)/演出:リチャード・エア
6. ビゼー:歌劇《カルメン》(2007) … 原盤DECCA
2007年新演出のカルメン。カウフマンの圧倒的な存在感はもちろんのこと、肉感的なアントナッチの演技にも目が釘付け。クールな魅力を放つダルカンジェロのエスカミーリョも忘れてはいけません。
カルメン:アンナ・カテリーナ・アントナッチ/ドン・ホセ:ヨナス・カウフマン/エスカミーリョ:イルデブランド・ダルカンジェロ 他 アントニオ・パッパーノ(指揮)/演出:フランチェスカ・ザンベッロ
7. ワーグナー:楽劇《パルジファル》(2014)【日本語字幕付き】
ワーグナーの最後の楽劇《パルジファル》。瞑想的な音楽とともに進行する物語には様々なメッセージが込められています。虚飾を配した舞台、サイモン・オニールの完璧な歌唱、そしてパッパーノの慈愛に満ちたオーケストラの響きは、この作品が救済の物語であることを示しています。
パルジファル:サイモン・オニール/グルネマンツ:ルネ・パーペ/クンドリー:アンゲラ・デノケ/アンフォルタス:ジェラルド・フィンリー 他 アントニオ・パッパーノ(指揮)/演出:スティーブン・ラングリッジ
8. マスカーニ:歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》
レオンカヴァッロ:歌劇《道化師》(2015)【日本語字幕付き】
同時代に作曲された2つのヴェリズモ・オペラ。もともと続けて演奏することも多いのですが、この上演では2つの物語を同じ村で起きた事件として設定。登場人物は各々を行き来し、あたかも全体が一つの物語であるかのような工夫が凝らされています。
トゥリッドゥ/カニオ:アレクサンドルス・アントネンコ/マンマ・ルチア:エレーナ・ツィリオ/サントゥッツァ:エヴァ=マリア・ウェストブローク/ネッダ:カルメン・ジャンナッタージョ/トニオ/アルフィオ:ディミトリ・プラタニアス 他 アントニオ・パッパーノ(指揮)/演出:ダミアーノ・ミキエレゥット
9. プッチーニ:歌劇《ラ・ボエーム》(2009)
「読み替え」などは一切ない、まさに王道を行くコープリーの演出。ネルソンスの指揮による美しい音楽、そして若き歌手たちによるひたむきな歌唱と演技。これ以上求むべくもない完璧な『ボエーム』。若者たちの情熱と愛を丁寧に描き出した究極の映像です。
ロドルフォ:テオドール・イリンカイ/ミミ:ヒブラ・ゲルズマーワ 他 アンドリス・ネルソンス(指揮)/演出:ジョン・コープリー
10. プッチーニ:歌劇《トゥーランドット》(2014)
アメリカのソプラノ、リンドストロームを中心に、ベルティ、アセト、そしてドイツで活躍する日本人ソプラノ中村恵理と言った素晴らしいキャストを揃えた万全の仕上がりを誇るものです。
トゥーランドット:リセ・リンドストローム/カラフ:マルコ・ベルティ 他 ヘンリク・ナナシ(指揮)/演出:アンドレイ・セルバン
11. プッチーニ:歌劇《三部作》(2011)
アントニオ・パッパーノが、ガッロ、ウェストブローク、ヤオ、そして新鋭デムーロといった豪華かつ実力溢れる歌手陣を率いて、この上なく充実した演奏を聴かせます。
●歌劇《外套》/ミケーレ:ルチオ・ガッロ/ジョルジェッタ:エヴァ=マリア・ウェストブローク/ルイージ:アレクサンドルス・アントネンコ 他
●歌劇《修道女アンジェリカ》/シスター・アンジェリカ:エルモネラ・ヤオ/王女:アンナ・ラーション 他
●歌劇《ジャンニ・スキッキ》/ジャンニ・スキッキ:ルチオ・ガッロ/リヌッチオ:フランチェスコ・デムーロ/ラウレッタ:エカテリーナ・シウリナ 他
アントニオ・パッパーノ(指揮)/演出:リチャード・ジョーンズ
12. リヒャルト・シュトラウス:楽劇《サロメ》(2008)
R.シュトラウスが理想としたサロメのイメージを具現化した、美貌と美声を併せ持つ歌手ナディア・ミヒャエル主演の『サロメ』の映像。演出担当は英国で一番人気のマクヴィカー。ミヒャエルが妖艶な魅力をふりまきながら全身全霊で演じる姿に戦慄。
サロメ:ナディア・ミヒャエル/ヘロディアス:ミカエラ・シュースター/ヘロデ:トーマス・モーザー/ヨカナーン:ミヒャエル・フォッレ 他 フィリップ・ジョルダン(指揮)/演出:デヴィッド・マクヴィカー
13. シマノフスキ:歌劇《ロジェ王》(2015)【日本語字幕付き】
12世紀のシチリアに実在した王ルッジェーロ2世をモデルにしたこのオペラ、この中で描かれているのは「異文化、異教の侵入」と、それに踊らされる人々の姿。そして反抗する君主の姿。簡素な舞台に映える神秘的な雰囲気が魅力です。
ロジェ王:マリウシュ・クヴィエチェン/ロクサーナ:ジョージア・ジャーマン/羊飼い:サイミール・ピルグ アントニオ・パッパーノ(指揮)/演出:カスパー・ホルテン
14. ブリテン:歌劇《グロリアーナ》(2013)
エリザベス1世の晩年を、女王が寵愛するエセックス伯との複雑な関係性に焦点を当てながら描写するこのオペラ。本上演では情熱的ながらどこか信頼の置けないエセックス伯を、トビー・スペンスが魅力的に演じ、貫禄溢れるスーザン・ブロックとの掛け合いの中で、栄光にあったエリザベスの晩年の悲哀を際立たせます。
エリザベス1世:スーザン・ブロック/エセックス伯ロバート・デヴァルー:トビー・スペンス 他 ポール・ダニエル(指揮)/演出:リチャード・ジョーンズ
15. ベンジャミン:歌劇《リトゥン・オン・スキン》(2013)
暴力的な保護者と謎めいた少年、そして保護者に支配されている若い妻アニエス。保護者は少年に「人間の一生と天使たちの偉業、地獄の業火に焼かれる罪人と天国の家族たち」を描いた本を書くように命じ、それにつれて妻アニエスは自己に目覚めていき・・・衝撃的で悲劇的なエンディングが待っています。作曲家自身の指揮による説得力ある演奏。
保護者:クリストファー・パーヴス/アニエス:バーバラ・ハンニガン/第1の天使/少年:ベジュン・メータ 他 ジョージ・ベンジャミン(指揮)/演出:ケイティ・ミッチェル